レソトは周囲を南アフリカに囲まれ、経済的に南アフリカに大きく依存しています。主要産業は農業（畜産業を含む）、製造業、鉱業です。農業従事者は西部の低地帯に多いですが、全土が山岳地帯のため、耕作可能地は少なく、多くが自給自足的です。製造業は繊維産業が中心で、雇用に貢献しています。民間企業の雇用創出力が弱いため、政府が多くの国民を公務員として雇用しており、その割合は周辺国と比較しても高いです。また、多くの国民が出稼ぎ労働者として南アフリカで働いており、その送金は重要な収入源となっています。

マセルにあるショッピングモール。テナントの多くは南アフリカ資本です。

水とダイヤモンドはレソトの重要な天然資源です。東部の山岳地帯、オレンジ川の水源付近から汲み出された水は南アフリカのフリーステート州およびヨハネスブルグ周辺に送られています。また、水力発電用のダムが建設され、電力についてはほぼ自給し、余剰電力を南アフリカに販売しています。

レソト北西部にあるメトロンダム
レソトにはいくつかのダイヤモンド鉱山があります。年間２０万カラット以上の産出量があり、年間数億ドルに達しています。その単価は１カラットあたり２、１７２ドルとされ、世界有数の高品質なダイヤモンド鉱山と言われています。

レソトの通貨ロチ（複数形はマロチ）は南アフリカのランドと１対１で固定されています。
国内ではロチと同じようにランドが流通しており、両替の必要なく使えます。これは周辺国、エスワティニ、ナミビアも同じです。これにボツワナを加えた国々との間で関税が撤廃されています。

２００マロチ紙幣（２００ランドと等価）

余談

レソトの紙幣の表のデザインは全て同じです。肖像は左から独立時の国王モショエショエ２世、現国王のレツェ３世、初代国王モショエショエ１世です。